2010/12/31

年越し・新年初詣行事のご案内

















師走の可睡斎はハっ!と気づけば

あっとゆう間に時は過ぎ去っていき、


あたりまえのことを、あたりまえに

変わっていく物事の中から

変わらないものを見つめています。


それを仏道のポピュラーな言葉で表すなら、


『諸行無常』と生活に根づいた

仏道の息吹きに吹かれ

この2010年の毎日が可睡斎や

皆さんにとってどんなものであったか、

もう一度ふり返ることも時には必要です。


いく年くる年の忙しいさなか

めまぐるしく変わる世の中で、


心の平穏をいざなうお寺はとても

ふさわしい場所かもしれません。






■ 年越し・新年初詣行事のご案内 ■



12月31日 (金) 大晦日


除夜の鐘 ~23時30分より受付開始~

(先着108名様に証明書発行)


新年初祈祷 ~元日午前0時30分より~

( 事前に申し込み受け付けます )



1月1日 (土) 元日



室内ぼたん園


山川寿代の吊るし飾り


於 瑞龍閣 元日~三月末日



秋葉信仰を探る資料展

~秋葉三尺坊様と可睡斎のおよそ百四十年~


於 宝物館 六月末日まで



諸堂拝観料・500円

午前八時~午後四時半まで


骨董の百庫一 古美術・民芸品販売


於 大書院 元日~五日

午前九時~午後四時まで

( 拝観料・別途 )



■ お正月特別限定・精進料理 ■



精進粥膳 ( 元日~五日まで )


精進七草粥膳 ( 六日、七日 )


精進吉兆膳 (元日~十日まで  )




いずれも予約不要(当日受付)

諸堂拝観券付き・1,500円





開運出世大黒尊天大祭 ~赤字凧お焚きあげ~


一月九日 (日) 午後二時より


赤字凧を燃やし黒字凧を懐に招く

ご祈祷と法要を営みます。



なお、ご不明な点があれば

可睡斎・総受付 Tel 0538-42-2121 まで



どうぞよろしゅう。




                   

                                        




   

2010/12/24

実は仏さまです

         



          
しばらく更新ができずにいましたが、

可睡斎の東司(おトイレ)について

引きつづき紹介させていただきます。



さて、東司に入り正面にお祀りしてあります

お像を『宇烏瑟沙摩明王(うすさまみょうおう)』

とお呼びします。






































烏蒭沙摩明王は、古代インド神話において

元の名をアグニと呼ばれた炎の神であり、

「この世の一切の汚れを焼き尽くす」功徳を持ち、



仏教にとりいれられた後も

「烈火で不浄を清浄とする」力を持つことから、



心の浄化はもとより日々の生活のあらゆる

現実的な不浄を浄める功徳があるといわれます。



人間界と仏の世界を隔てる天界の

火生三昧」(かしょうざんまい)と呼ばれる

炎の世界に住むといわれ、



人間界の煩悩が仏の世界へ波及しないよう

聖なる炎によって煩悩や欲望を焼き尽くす反面、

仏の教えを素直に信じない民衆を



何としても救わんとする慈悲の怒りを以て

人々を目覚めさせようとする明王であります。



また、本来清浄なる自己に目覚めさせる徳をもつといわれ、

禅宗では東司の仏様として祀られています。




この可睡斎に祀られている烏蒭沙摩明王は、

高村晴雲の一代傑作であり、

日本一大きなご尊像(三メートル)が安置され


宇鳥蒭沙摩明王は、腕が四本で、左手は天を指し、

髑髏を持ち、右手は、宝棒と独鈷を持っています。






































顔は、怒った形の憤怒形で、右足で磐石の上に立ち、

左足で歓喜天(象さん)を踏んで首には瓔珞をかけ、

頭の毛は逆立っています。








































作者の高村晴雲さんは、


初代高村東雲の孫として明治二十六年に生まれ、

三代目高村東雲であり、晩年は初代晴雲と名乗り

一生を仏像彫刻に専念された人物であります。




可睡斎に初めて訪れる方の中で、

東司のことやお像の存在を知らないで

お参りされる方は一様に驚きの声をあげ



掃除の行き届いたピカピカの便器や床、

しかも男女兼用といった珍しさからか

たいへん喜ばれることもあります、、、



しかし、そこは禅寺ですので

皆さまにはそこはかとなく静かに

用を足していただいております。



これだけ歴史のあるお寺のおトイレを

陰で支えてきたのは、


これまで可睡斎で修行を積んだ

たくさんの修行僧ではないでしょうか。


暑い日も寒い日も毎日黙々と

床や便器を磨きつづけ

長年、もとの美しさを保ちつつ、


行いの全てが仏様の行いである

教えそのものをまさに具体化した『行』といえます。




どうぞよろしゅう。






             





           
          










         

2010/12/10

トイレの神様はお待ちです










可睡斎に初めて訪れる大半の方々は、

ご祈祷か精進料理を目的においでになります。


しかしながら、


可睡斎はれっきとした禅寺であって

曹洞宗の修行道場としての一面もあり、


修行僧も日々精進弁道の生活を

四季の移り変わりとともに過ごし、


行く雲のごとく

流れる水のように


各地からやって来てはまた各地に

去っていくのが常であります。


それでもこの門をくぐった以上、

修行僧は己の修行を貫かねばなりません。


どんなに長く修行をつんでいようとも

新たに向かう修行道場では

トイレ掃除から始まることが基本です。


禅寺では、トイレのことを

「東司 ( とうす )」とお呼びします。



禅宗には「三黙道場」という修行の道場があり、

絶対に話をしてはならない場所のことをいいます。


それは、 「僧堂」 「浴司」 「東司」 の三つです。


僧堂は坐禅と食事の場所であり

浴司( よくす )はお風呂のことをさします。


昔より禅宗の修行では、


東司掃除はもっとも大切な修行の一つとされ

人知れず行う東司掃除は陰徳を積む修行であり、


昨今、一般社会や教育の現場では少しずつ

トイレ掃除が見直されるよになってきて、


謙虚な気持ちや気づける心

感動をはぐくみ感謝の心が芽ばえる、

人格形成に役に立つともいわれています。



また、いつものように前置きが

長くなってしまいましたが、


可睡斎のおトイレは戦前より水洗トイレで

当時の建築の粋を極めた見事なものです。


巷ではトイレの神様がここにきて

注目をあびています。


ならば、もっと知ってほしいことが

可睡斎には落ち葉の数ほどあるのです。


ほんとに手前味噌なお話ではありますが、


今回も三回シリーズ(ぐらい?)にわたって

おトイレについてお話ししようと思います。


では、次回


どうぞよろしゅう。


















2010/12/06

可睡斎・秋葉の火まつり日程
















1日~8日『臘八摂心会』、

8日・午前10時『成道会』以降の

予定について詳細をアップします。


■ 水行 ■

本年度も10日~15日朝まで
可睡斎・水行池にて(一日、朝・昼・夕方)
三回の火防大祭にむけ六根清浄のための、
冷水をかぶる修行がなされます。


■ 別火寮籠り ■

火防大祭にむけて全国から集まった
大祭奉仕の僧侶たちが別火寮に籠り
精進潔斎する行。




■ 火防大祭・15日当日■


 8:00 ~  受                           

 ご祈祷、その他の受付を始めます。



 9:00 ~ ご祈祷開始

 一般のご祈祷を開始します。



 10:00 ~ チャリティーバザー

 第三同志会・主催による『歳末助け合いバザー』 が
 石段下の広場に催されます。



 15:00 ~  大祭大祈祷                               

 火防霊場最大の大祈祷が勤修されます。


 15:30 ~ 御輿渡御 ( おみこしとぎょ )

 お御輿にて秋葉三尺坊大権現様が
 奥之院へお渡りになります。



 17:00 ~  薬石 ( 夕飯 )

 宿泊者の方々の夕食になります。


 18:30 ~ 野外イベント

 法堂前にて『火の舞奉納』を行います。 


 出演のファイヤーパフォーマンス


 ACT  蛮火炎



 〈蛮火炎プロフィール〉


 ・2006年TOKI、しゃからによって「蛮火炎」を結成し、
   SHOWスタイルでのパフォーマンスを開始。

   2007アメリカより世界的に有名な Fire performer SAGEを招き「山踏火」をオーガナイズ。
   のイベントをきっかけに日本のFIREシーンが大きく変化することなる。

   同年JFF(ジャパン・ファイアー・フェスティバル)の実行委員を務める。

   2010年よりTOKIソロプロジェクトとして光を使った「Light performance」を開始する。

   この他にもワークショップや写真で表現する「光の軌跡」「炎の軌跡」のArtにも取り組んでいる。



 【蛮火炎】過去の出演

 ・S.O.S music festival 2007.2008
 ・~頂(日本平)~2008
 ・Natural night 2007.2008.2009
 ・Rock on the Rock 2008
 ・大桑祭 2008
 ・可睡斎 2007.2008.2009
 ・そしたらしたら祭 2010 and more・・・



 19:00 ~ 松明引き換え開始

 松明道中登山の受付を開始し、松明とお守りを渡します。



 19:15 ~ 行列準備

 門前大駐車場にて松明道中奉仕者が集まっての準備。



 19:20 ~ 御神火祈祷・浄道場

 御真殿において、火渡り修行の無事円成を祈願して
 ご祈祷を行い、ご神火を授かります。

 火渡り道場にてお浄めの式を厳修します。


 19:30 ~ 登山出発

 松明道中出発。

 今年一年の厄払いと新年の
 ご守護を祈り出発を始めます。



 19:40 ~ 手筒花火奉納

 豊橋・下地講による手筒花火の奉納。



 20:00 ~ 松明奉納・護摩木奉納・三徳祈祷

 松明の火を法堂前の広場の護摩壇に納め
 家形護摩木の供養とご祈祷を行います。


 20:30 ~ 火渡り・お授け

 火渡り道場にて行者の方による火渡りの修法が
 執り行われてあと一般参加者による火渡りの開始。
 その後、火渡り道場の結界注連縄を授けます。


 22:00 ~ 山払い

 境内を結界とするために、お人払いとお浄めをして
 秘法御供式に備えます。


 23:00 ~ 23:30 秘法七十五膳御供式

 別火寮の行者はご祈祷後、御真殿を出発し奥之院御供所にて
 秋葉様・七十五の眷属(従者)に対し御供式の秘法が厳修されます。


24:00 ~ 24:45 法話・お授け


奉納の皆様は御真殿に残っていただいて
ご法話を聴聞されます。

別火寮の行者が御供式終了後、
七十五膳奉納者一同に御報告をし、
お札と別火調菜神饌のお授けがなされます。



16日 6:00 ~ お御輿還御

奥之院にてご祈祷後、お御輿が御真殿に帰還されます。



以上が15、16日までの日程となります。


どうぞよろしゅう。




























2010/12/01

たゆまぬ師走






























12月にしてはまだまだ温かく感じられます。

それでも朝晩の寒さがぐっと増した可睡斎です。


本日より、


12月8日の朝まで臘八接心という

坐禅三昧に徹する期間をむかえました。


お釈迦さまのお悟り(成道)にあやかるべく

一年の修行の集大成といっても過言ではありません。


ことに可睡斎では日頃より、

ご祈祷や作務で忙しい雲水さん達の

坐蒲(坐禅時にひく座布団)が冷める日もないくらい、

徹底して坐禅に成りきる日々のはじまりです。



この臘八接心を終え、



間髪おかずに水行がはじまって火まつりや年末年始の

準備にと休む暇がどこにも見当たらず

心と身体がたゆまぬ師走の幕開け。









 
合掌 どうぞよろしゅう。