暦のうえではすでに春なのですが、
冬のおき土産の寒さがまだまだつづいてるようです。
花粉でお困りの方もたくさんいらっしゃるのでは?
さてさて、昨日は三月三日
そう桃の節句。
お寺とは直接結びつきのない行事ですが、
昔の人々は上巳の節句の日に野山に出かけ
薬草や山菜を摘んで健康や厄除けを願っていたそうです。
忙しい日々がつづく可睡斎では、
野山に出かけることなどできませんし
修行僧になると日付や曜日感覚など皆無です。
昨日は典座寮( てんぞりょう・食事を作る寮 )さん達のはからいで、
全員が食事をいただく部屋の飯台( テーブル )に
ちらし寿司、おすまし汁、茄子と大和芋とピーマンの揚げ煮
などが彩りよくならべられ、
さらには飯台の中央には桃のの花まで活けられていて
修行僧はもちろん、職員さんたちにもたいへん喜ばれていました。
季節が運ぶ恩恵を忘れていたり、
あたりまえがあたりまえじゃなくなっていく
季節に希薄になりがちの現代では、
このような心づかいと愛情で気持が温かくなることを
再度、気づかされた出来事でした。